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STAGE GRANDE 亀戸 Asyl Court

㈱アーバネットコーポレーション

中高層分譲住宅部門 (ワンルーム事業)

5階部分までを1フロア3戸、6階以上は4戸という斬新な発想で日影規制をクリアし、専有面積を約 140㎡増床(一般的な企画より 11.2%増)させたことが事業を成功に導いている。これにより新設杭を6本減少させ、工事費の圧縮につながるとともに、周辺マンションと一線を画す個性的なデザインとなっている。また、エントランスには透明感のあるガラスモザイクを採用、外部の緑をイメージした間接照明を計画し、明るく清潔感のある空間を生み出している。

事業コンセプト

本物件は、亀戸駅から徒歩9分。繁華街を通り抜けた住宅地に位置しております。初期の企画では日影規制等により容積を全て消化することができないことに加え、地域の特性として地盤が悪く、建設費が高騰している当時としては、企画的にも建設的にも厳しい条件でした。
このような条件の中、本プロジェクトは、当社の有する企画力が最も活きた事例となりました。当該計画地にかかる都市計画内容は、準工業地域(防火地域)で指定容積率400%、指定建ぺい率60%です。加えて、南側を走る蔵前橋通りより北側30 mを境として、用途境が設けられており以北は同じく準工業地域ながら、日影規制が設定されておりました。この計画地外に設けられた日影規制が本計画地の企画において、最も大きな課題となりました。一般的に、日影規制に適合させる場合、建物形状を日影規制ラインに沿って細く高く変形させるか測定点まで影が到達しないように建物を階段状に低く抑えるといった方法を取ります。しかしながら、本計画ではそれらの考えを融合し、平面形状をコンパクトに抑え、かつ、距離を取ることで、測定点で収束していく等時間日影を最小限に抑えました。その上で、測定点上に影響しない高さで1住戸分迫り出させることで、日影規制に適合し、かつ、一般的な方法で企画する以上の容積を消化いたしました。この結果、専有面積を約140㎡(40 坪)増加、一般的な方法による企画と比べ11.2%の専有面積を増やしました。
また、建物形状を単純化し平面形状をコンパクトにすることで、建築工事の基礎工事等の施工範囲を狭め、最大で新設杭を6本減少させたことで、工事費の圧縮を行いました。
以上のことより、こうした企画の工夫と応用によって、本来開発の難しいマンション用地であっても十分に事業として成立させることができました。

商品企画

本物件の特徴として、計画地が東西に細長く接道面からの奥行きが長い形状でした。そのため、計画建物は土地の特徴を活かし敷地中央部に集約させ、建物の前面と背面に大きなスペースを計画いたしました。そして、区の条例などで求められる共用スペースやインフラ設備を背後に集約し、前面に緑化計画を集約させました。これにより、建物のファサード面をデザインするとともに、周辺環境にも配慮した地域の憩いの空間となることを目指しました。
エントランスは、前面と背面の大きなスペースが繋がるように貫通させ、自然光を取り入れることで、開放的な明るい空間としました。そして、前面の四季に応じて彩の変わる植栽と同様に、背面の空間には坪庭とオリジナルの彫刻を設けました。そして、それらを繋ぐエントランス内には透明感のあるガラスモザイクを採用し、外部の緑をイメージした色の間接照明を計画することで、内外のイメージカラーを統一し、空間の連続性を意識し、明るく清潔感のある空間となるようデザインいたしました。
専有部においては、弊社では竣工物件に対する入居者アンケートを実施し、よりよい住まいづくりを模索しております。その中でも、ワンルーム用に開発した当社オリジナルのユニットバス(ユノバース)を採用し、また、アッパーキャビネットやキッチン・洗面化粧台、システム収納など、工夫された収納により他社物件と同じ専有面積でありながら、居室面積を削ることなく、圧倒的に多い収納量を確保することによる差別化を図っております。

事業成果

本物件は、周辺でのワンルームマンションの供給が多く、最寄り駅からの距離もあるため、競合の観点から開発用地として好立地とはいえない条件でした。しかしながら、都心に近く都内の主要エリアへのアクセスが良好なことや、地元周辺企業も多数あることから、戸別分譲・賃貸のみならず、企業の一括借り上げによる社宅ニーズも見込める地域でした。したがって、企画・建設の部分において、他社との差別化を図り、周辺相場と同等の価格帯で専有卸しすることができれば、十分に収益性の見込めるエリアと判断いたしました。
土地の立地条件により、周辺相場より安く土地の仕入れができたことに加え、企画面でより多くの容積を消化し、かつ、経済設計を目指したことで、大幅な原価の圧縮につなげました。その結果、売上げを増加させる一方で、工事単価を圧縮し、好条件といえない物件を、収益性の高い物件とすることができました。

物件概要

事業主名 株式会社アーバネットコーポレーション
現場住所 東京都江東区亀戸4-36-10
企画設計 株式会社吉田正志建築設計室
施工者名 多田建設株式会社第一事業本部
工事竣工 平成28年11月9日

規模概要

敷地面積 389.97m²
延床面積 1,702.74m²
住戸面積 25.65 ~ 28.74m²
構造規模 RC造地上15階地下1階建
住戸総数 53戸

戸建分譲住宅部門

中高層分譲住宅部門

不動産関連事業部門

企画・開発部門

リノベーション部門