T’s BRIGHTIA 南青山
トーセイ㈱
不動産関連事業部門
住居地域での商業ビルという難しい条件にもかかわらず、既存の街並みに合わせたボリューム構成、シンプルな佇まい、視覚的・物理的に建物を外に開きつなげることを設計思想とし、見事に実現している。大胆な事業用地取得、優れたテナント誘致、売却先の選定など幾重にもある高いハードルを克服し高利益を確保することに成功している。屋上と壁面の緑化、外観のライトアップにLED を採用するなど環境面への配慮も評価できる。
画像ギャラリー
事業コンセプト
アートやモード、ファッションの高感度層が集まる一方で、築古のマンションなどが点在し、ほのかにノスタルジックな雰囲気を醸す、都内有数の人気スポットである南青山。
本件は、街並みや古くからの情景に自然になじみながらも、南青山の新しいアイコンとしての存在感を演出し、新たな人の流れ(ムーブメント)を生むために、既存の街並みに合わせたボリューム構成、シンプルな佇まい、視覚的・物理的に建物を外に開きつなげることを設計思想に計画された商業ビルである。
従前は薄暗く人々を拒絶するような空間が存在し街並みに異質な雰囲気を醸していた。当計画は、行き交う人々の目にとまり、時代を経て利用し続けられるインフラを用意することで、永くその場所で愛される空間として場所の持つ力を再生したものである。
商品企画
ウィンドウショッピング、街歩きの人の印象に残りやすい大階段・大開口をファサード計画の要としている。店舗の中に入ってもらうという感覚ではなく、街歩きの一部として建物内部に人を呼び込むオープンな空間設計を実現した。2棟のボリューム間に設置された地下へいざなう大階段は、屋根のないパサージュの機能を意図したものであり、風と光が建物間を通り抜ける、訪れる人々にとって居心地の良い空間を目指した。
長期に渡って建物が使われるよう、垂直と水平方向ともにテナントが分割された時でも、それぞれ2か所からのアクセスができ、屋上の利用可能も実現している。
【環境配慮】用途地域的に、高さを抑えつつも魅力的な商業施設をどのように確保するかとの観点より、外部空間を人々の溜まりとして水平的にも垂直的にも有効に活用される空間を目指すことで、サスティナビリティの高い建物を実現した。
また、具体的な環境装置として、屋上と壁面の緑化を実施しているほか、外観のライトアップには全てLED を採用するといった工夫も行っている。
事業成果
本件は、みゆき通りから伸びるT字路の先に位置しており、通りのアイストップとして準広域的に街並みに寄与することを意識した。シンプルかつボリュームを抑えたファサードは、国内・海外を問わず、またファッションや各種サービスなど多様なテナントを受け入れ可能とする陳腐化しないデザインを意識。テナントが入居することにより個性が発揮され、人が行き交うことによって建物が本当に完成し、ひいては街が潤うこととなる。
結果として、日本を代表するアパレルブランドが入居することになり、新たなファッション、モードの発信基地が誕生することで、街の持つ力の再生を実現できたものと考える。
物件概要
事業主名 | トーセイ株式会社 |
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現場住所 | 東京都港区南青山3-14-17 |
企画設計 | 株式会社JPM+studioterra |
施工者名 | 株式会社フジタ |
工事竣工 | 平成28年1月8日 |
規模概要
敷地面積 | 749.69m² |
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延床面積 | 1,418.89m² |
構造規模 | 鉄骨・RC造地上2階地下1階 |