ケリア西馬込アジールコートは、「西馬込」駅徒歩８分の丘陵地に建つ投資用マンションです。敷地はもともと生産緑地として果樹園を営まれていた地主の相続対策による売却により取得しました。
敷地南側を東海道新幹線と東海道本線が走る線路に近接していることもあり騒音を避けるために住戸の主採光面を北東面又は西面としています。これは賃貸用ワンルームマンションであるため、あえて南向きにこだわらない発想と言えます。建物の配棟は北東側道路に沿ってバルコニー面を配置した東棟と、西側道路に沿ってバルコニー面を配置した西棟の２棟構成でエキスパンションジョイントにて連結させています。住戸ロットはワンルーム形式68戸、1LDKタイプ22戸、2LDK住戸５戸で構成されておりますが、これは大田区まちづくり条例の開発指導要綱によるものとなります。用途地域は第一種中高層住居専用地域で高さ規制及び建物ボリュームはほぼ日影規制(３時間／２時間・4.0m)により決定しております。
売却先は大手投資ファンド運営会社への一棟売却となりましたが総戸数が多いこととまとまった戸数の物件が少ない昨今の現状を分析した結果、一棟売却が実現いたしました。

外観デザインはバルコニーのコンクリート形状を３次元的に立体化させた独特のデザインを採用しました。５階建ての建物ではありますが日影規制によりセットバックしていることで建物正面の道路面からは４階建てに感じます。また東棟の最大建物長さが46mもあることで、非常に横長で単調な印象を与える建物になることを避けるためにあえてインパクトのあるデザインを採用しました。立体化させたバルコニーは２階と４階部分のみで３階は通常の垂直面としておりますが同様のデザインとなるように斜めに目地棒を入れ、上下で色を変えることにより目の錯覚による立体感を感じられるデザインとしました。このような立体的バルコニーを形成させるためには特殊型枠が必要となり非常にコストが掛かります。本物件では２階で使用した型枠をコンクリート打設・養生させた後解体させ、すぐそのまま４階の型枠に180°回転させて転用使用する計画とすることで、コストを最小限に抑えることを可能としました。また、降雨によるバルコニー面の汚れを最小限とするため、斜めの部分に上部の雨が伝わらないように配慮した計画としております。
プランニングはできるだけ各棟端部の部屋を1LDK～2LDKとし、南側からの日差しを確保するとともに３面開放により住戸の独立性を高めております。ワンルームタイプについては開口2.9m住戸を基本とし、コンパクトな水廻りと足が伸ばせる弊社開発のユニットバス(ユノバース1114)の採用、季節ものを収納できるアッパーキャビネットを始めとした豊かな収納、調理する人のことを考えたオリジナルコンパクトキッチン、家具レイアウトを想定した使いやすい間取りとなっており室内レンタブル比を最大限上げる工夫をしております。マンション名称にもなりましたKERRIA(ケリア)はヤマブキであり、外構の植栽計画にポイントとして取り入れております。ヤマブキの花が咲く晩春には黄金色の花が入居者や来館者を迎え入れることでしょう。

ケリア西馬込アジールコートは「西馬込」駅周辺で弊社6棟目の事業となりました。
「西馬込」は都営浅草線の始発駅であり、池上・蒲田方面からタクシーでのアクセスも比較的容易なため投資用ワンルーム開発事業が比較的多い地域であります。
そのような地域において、本物件は斬新な外観デザイン、モニュメントを照明代わりにした洗練されたデザインとヤマブキ色の造花が迎えてくれるエントランスホール、住戸内の使いやすさ、充実した収納の多さで同業他社との差別化を図りました。
その結果、販売活動に大きく寄与し、リーシングにおいても予想以上のスピードで進捗いたしました。
賃貸需要に関しては前述のとおり都心へのアクセスが良好なため企業の社宅ニーズが見込め、また羽田空港が至近にあることから空港関連企業の社宅としてのニーズもあるエリアとなっております。
売却に関しては規模がまとまっていること、デザイン性の高さ・内部仕様と間取りについて高い評価をいただき、早期に購入判断いただいたことで事業としては大きな成功となりました。