サンベストヴィレッジ浮間公園
(株)SD建築企画研究所
企画・開発部門
タクシー会社の本社屋の建替えに際し、増床部分に認知症対応型グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅、デイサービスを組合せ、それぞれの補助金を最大限利用することで、入居者や利用者の負担を減らし、かつ、収益性を高める工夫は高く評価できる。事業主がタクシー会社である強みを活かした介護タクシーを含む 24 時間体制の移送サービスも入居者に好評である。
画像ギャラリー
事業コンセプト
タクシー会社本社屋の建替えに際し、増床部分に認知症対応型グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅、デイサービス、在宅介護支援のシルバー系複合施設を併設する計画とした。タクシー事業者がシルバー事業に参入し複合的に経営するという事例は全国で初めて。介護タクシーを含む移送サービスは、デイサービス利用者の送迎だけでなくサービス付き高齢者向け住宅居住者の自立した生活を支援し、また、グループホーム入居者の円滑な通院等を可能にする。高齢者の住み慣れた地域で自立した生活を支援するというサービス付き高齢者向け住宅本来の環境整備に、移送サービスが大きく貢献している。事業推進手法としては、補助金制度の複合利用がある。事業主と運営会社とで区分所有の形をとり、また建設費を本体工事とテナント工事に分けることでグループホームに関する補助金(板橋区地域密着型サービス事業)、サービス付き高齢者住宅・デイサービスに関する補助金(高齢者等居住安定化推進事業)の申請が採択された。1億円を超える補助金の獲得により、事業推進に有利な収支計画が創出された。
商品企画
安全、運用、防犯上の考え方から、2面道路を利用しタクシー事業とシルバー事業とでエントランスから明確に分離した。一方で2階に両事業の事務スペースを集約し、24時間体制のタクシー事業の事務と同じく24時間の見守り体制のシルバー事業の事務とで連携が取れる計画とした。維持管理体制として、サービス付き高齢者向け住宅居住者の認知症自立度にあわせ、日常生活能力の低下によってはグループホームへの優先住み替え、また回復状況によって優先復帰のメニューを揃えることで住み慣れた場所に住み続けられる環境整備を行っている。運営側の維持管理体制としては、ヘルパー2級を取得したタクシーの運転手は介護タクシーのサービスができるようになり、さらにシルバー事業への転籍が可能になる。従業員の職種選択の幅ができるという意味での維持管理 体制も強化されている。
事業成果
オープンから半年(平成24年9月)の時点で、認知症対応グループホーム(2ユニット、定員18名)は残り2室(2名)、サービス付き高齢者向け住宅(23戸)は残り8戸と、一般的な同施設、周辺状況からすると短期間で高い入居率を実現している。これは補助金制度を最大限に利用し、借入等を極力抑えた結果、家賃設定、各種サービス料金、施設利用料金を、いずれも低く設定できたことが大きな要因となっている。また、「シルバー事業+タクシー事業」という新しいビジネススキームが、24時間体制の移送サービス付き施設としての入居者の安心感・解放感を大きなアドバンテージとして附加している。
物件概要
事業主名 |
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現場住所 |
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企画設計 |
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施工者名 |
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工事竣工 |
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規模概要
敷地面積 |
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住戸面積 |
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延床面積 |
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構造規模 |
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住戸総数 |
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