エコヴィレッジ朝霞中央公園
(株)リブラン
中高層分譲住宅部門 (小規模)
太陽・風・緑との一体感を建物全体で表現し、生活者がそれを体感できるシステム(緑のカーテン、屋上菜園、とまり木ラウンジ等)となっており、自然を取り入れる工夫は見事である。若林広幸氏のデザインもシンプルで美しく、デベロッパーと設計者が楽しみながら造り上げたプロジェクトであり、事業としても成功したプロジェクトである。
画像ギャラリー
事業コンセプト
本マンションは、月極駐車場であった従前の計画地に、多くの木々を配し、朝霞中央公園・市立図書館周辺が有する恵まれた緑地と繋がりのある景観づくりを行った。自然と融和した暮らしから快適な室内環境を創出するとともに、入居者同士のコミュニティ形成の仕掛けを盛り込んだ事例として推薦する。植樹した木々は、夏場の直射日光を遮り、蒸散作用で気温を下げる冷熱源としても機能している。住戸の廊下側とバルコニー側を繋ぐ「風の道」が2本以上となるプランとし、またプライバシーを確保しつつも通風を可能にする工夫を窓廻りに施すことで、植栽が作り出した冷気を住戸内に取り込みやすくした。また、バルコニーでは「緑のカーテン」により日射遮蔽を行い、内装材には無垢フローリング・調湿クロス・珪藻土といった呼吸する建材を用いることで、梅雨時期から夏場にかけ、サラリとした空気感を作り出し、体感温度を下げる効果を生んでいる。冬対策としては、各住戸をワイドスパンとしバルコニーに面する窓を大きくすることで、朝日がたくさん取り込める暖かい室内環境を創出している。また、カーテンボックスの設置と断熱性の高いペアガラスの採用により、コールドドラフトを抑制している。肌が一番触れる床材には、熱伝導率の低い無垢フローリング(ワックス仕上げ)を使用し、体感的な寒さを緩和している。
商品企画
38世帯という比較的小規模なマンションであることから、入居者が集まるエントランスホールをマンション全体のリビング・ダイニングと位置付け、鳥が休むさまから「とまり木ラウンジ」と命名した。また、2階には屋上菜園を設け、収穫した野菜を調理できるよう「とまり木ラウンジ」には共用キッチンを据え付け、2つの空間を外階段で繋いだ。屋上菜園を利用したワークショップイベントとして、入居開始1年目は菜園開きや収穫祭等を開催。入居者全員の参加を呼び掛け、2年目以降は有志のサークルである「菜園クラブ」を管理組合主導のもと立ち上げられるようサポートする。夏場の日射遮蔽だけではなく、収獲したゴーヤーが食卓を彩る楽しみや子どもが毎日の水やりを手伝う場をも提供してくれる「緑のカーテン」は、入居者が取り組みやすいよう講習会を予定している。これまでは見られなかった蝶や鳥の鳴き声も聞けるようになりつつあり、植栽を計画的に配植した効果が既に環境の変化を生んでおり、子どもたちの格好の遊び場となりつつある。
事業成果
本マンションは、東日本大震災直後の 2011年5月中旬から販売開始となった。奇しくも弊社がこれまで取り組 み続けてきたコミュニティの大切さが、「絆」という言葉とともにその価値が見直され、先行きの見えない不安な状況下であったにもかかわらず、38戸を4か月足らずで完売するという思いがけない結果が得られた。引渡しに先立ち、専有部分の仕上げ材に用いた無垢フローリング・調湿クロス・珪藻土の「メンテナンス講習会」を開催したところ、殆どの入居者に参加いただくことができた。自然素材が本来持つ暖かみや調湿性能を損わない「蜜蝋ワックス」などの使い方・効果などについても体験・説明する中で、入居者自らがメンテナンスを行う大切さを理解いただけるとともに、子どもも一緒にメンテナンスができるほど、実は簡単であることも共有できた。
物件概要
事業主名 |
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現場住所 |
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企画設計 |
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施工者名 |
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工事竣工 |
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規模概要
敷地面積 |
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住戸面積 |
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延床面積 |
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構造規模 |
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住戸総数 |
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