本物件は新宿という都庁を中心とした副都心と国内屈指の歓楽街という２つの顔をあわせ持つ街に位置しております。世界No.1の乗降客数を誇るJR新宿駅も徒歩圏内でありながら、新宿御苑にも近いことから、居住者が価値を感じる複数の要素が混在する地域となっております。さらに隣接する一帯は大規模再開発「富久クロス」や政府主導のアジアヘッドクォーター特区に近接していますが、所在地は新宿エリアにありながら靖国通りから一歩入った所に位置し静粛な環境になっております。この様に多数の要素が絡み合う特異な地点に位置しているといえます。
特別な立地環境を取り込み、結び付け、住まう方たちを第一に考え、最大限の事業効率を成り立たせることが、本物件のコンセプトとなっておりました。これらを解決するために独自に立地や周辺環境などを評価する「スコアリング」により、定性的ではなく定量的に周辺環境を把握いたしました。
また、周辺居住者の属性を詳細に調査する「モデリング」という手法により、間取り及び内部デザイン等の検討を行いました。「スコアリング」「モデリング」を活用して、商品企画を行うことにより、本物件は魅力的な建物に創り上げることができたと思っております。

敷地の東西２面が道路に接しているため、従来から近隣住民は本敷地を「路地」として通行しておりました。四方をフェンス等で囲いセキュリティラインで敷地全体を包囲する計画も考えられましたが、あえて「路地」を設けることにより良好な外構を計画し、物件と近隣住宅との共生を図りました。当初、本計画は１階に住戸を設け、８階建てのプランを想定しておりましたが、居住性及び防犯性を考慮し、１階は共用部のみとして、９階建てのプランへと地域環境にあわせて変更いたしました。工期、工事費等は追加的に発生いたしましたが、その結果エントランスホールは広い空間を確保し、住戸の価値を上げることにより地域相場より家賃を上げることに成功し、購入者にとって追加的な価値を生み出すことに成功いたしました。
デザインコンセプトは建物のみならず、敷地も含めたものとなっており、落着きのある「和」テイストです。エネルギッシュな新宿エリアですが、敷地も大切な居住空間と位置付け、居住者が落着きを感じられるデザインです。この居住空間に一歩入り込むと自然と動線が導かれるように樹木を配置し、緩やかな曲線で構成されたエントランスホールは優しく「家」まで誘います。

本物件の価格は周辺相場より高めに設定したにもかかわらず、販売期間は約1か月半で完売いたしました。要因は企画段階で立地や周辺環境などを評価する「スコアリング」を用いて、投資家目線を的確に掴んだことによります。
また、想定居住者の属性を詳細に調査する「モデリング」を入念に行い入居者ニーズを的確に掴み、洋室の広さを優先したタイプと収納を重視したタイプの2つの間取りを採用しました。建設中にもかかわらず入居申込開始と同時に入居希望が多数あり、10月募集という客付が難しい時期にもかかわらず、約1か月半で満室状態になりました。最上階の２住戸は実需も想定しフラット35S の適合証明書を取得いたしました。結果、実際に購入された方が住まわれたことから、消費者ニーズを的確に適合できたと思っております。