中央区佃3丁目、月島の南東の角に位置して隅田川を目前に眺望の開けた解放的な特別な立地。明治時代に埋め立てにより造られ、産業構造の変遷に伴い流通の形態が変わることによって時間が止まったような周辺環境。月島駅から徒歩3分でありながら、ゆったりと過ごせる時間、のびやかに明るい開放感、大規模やタワー物件では感じることのできない水面までの距離感を普段の生活の中で感じられる物件を目指した。当初の敷地に東京都所有の旧護岸となっていた土地の買収を提案し、建物の形態を整形にして事業の収益性も向上することができた。ターゲットは近隣在住のディンクス、子育てファミリー層。1フロアー3戸で全て角住戸という形態をとることで、自然な光や通風に優れた居心地の良い開放的な住環境を創ろうとした。各素材にもこだわり、会社の理念でもあるオンリーワンの住宅を目指した。

水辺の開放的な心地よさを感じられるように、外観は爽やかな白のタイルと透明なガラスを基調としている。道路側は川面の波をイメージして躯体の柱と梁の表面を緩やかにラウンドさせて編込んだ形状としている。これは躯体の表面に50mmのムクリをつけ、流れを意識する筋目の入った45三丁掛タイルを貼りこんでいる。川に面するリビングの窓は床から梁下いっぱいまでの開口とし開放的な空間としている。又、奥行芯々3mの屋外テラス付タイプやインナーバルコニータイプ、大きな窓を設けた浴室タイプ等、各タイプに特徴をつけた。眺望と開放的な時間を過ごせるよう、ソファーを置いた屋上テラスを設置し、ゆっくりと寛げる癒しのスペースとした。

当初の事業計画よりも、都有地(旧護岸)の買収や各住戸の明確な特徴付けを行うことで物件の魅力を引き立てることに成功し、事業の成果としても良い結果となった。顧客の入居後に入居者アンケートを実施し、実際に生活した上での意見を求めたところ、開放的な住環境や屋上テラスについて好評な意見を頂くことができ、当初コンセプトで設定した消費者のニーズに合ったものを提供できたと考えている。単に色柄だけでなく、ライフスタイルに合わせ間取りセレクトや収納状・浴槽形状・洗面鏡形状・洗面水栓・キッチンカウンター 形状等もセレクトできるライフパレットシステムを提供し消費者のニーズに応えた。