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住宅の買い時感は消費者の61.9%が「買い時」
~住宅金融支援機構「平成28年度における住宅市場動向について」

 (独)住宅金融支援機構は「平成28年度における住宅市場動向について」まとめた。同調査は一般消費者、住宅事業者、ファイナンシャルプランナーの三者に、今後の住宅市場に関する事項についてアンケート調査を実施し、その結果をまとめたもの。

 住宅事業者の平成28年度(平成28年4月~平成29年3月)の受注・販売等の見込みは「平成27年度(平成27年4月~平成28年3月) と比べて増加」が65.3%と最も多かったが、「平成27年度と同程度」も24.8%あった。「平成27年度と比べて減少」は9.8%にとどまった。一般消費者の平成28年度における住宅の買い時感をみると「買い時」は61.9%だったが、「どちらとも言えない」も31.7%あった。「買い時ではない」は6.4%だった。ファイナンシャルプランナーの平成28年度における住宅の買い時感では、「平成27年度と比べて買い時」は68.6%だが、「どちらとも言えない」も17.6%あった。「平成27年度と比べて買い時ではない」は13.7%。住宅事業者の重点的取組事項と一般消費者が重視するポイントでは、住宅事業者、一般消費者ともに「建物の性能」が最も多かった。「建物の性能」で最も重視するポイントは、住宅事業者は「省エネルギー性」、一般消費者では「高耐久性」だった。
 
 概要は以下のとおり。
1.平成28年度の受注・販売等の見込みについて(調査対象:住宅事業者・複数回答)
 平成28年度の受注・販売等の状況の見込みについては「平成27年度と比べて増加」(65.3%)が最も多く、主な要因として「住まい給付金、贈与税非課税措置(住宅取得等資金)、住宅ローン減税等がある(または措置の拡充が検討されている)から」(15.4%)、「その他」(17.7%)の主な回答をみると「2020年の法改正をはじめとする高気密・高断熱への関心のたかまり」や「新商品の開発」等を示唆する回答がみられた。「平成27年度と比べて同程度」(24.8)、「平成27年度と比べて減少」は9.8%にとどまった。主な要因では「その他」(47.2%)が多く、主な回答をみると「販売スケジュールの調整」や「建設用地の不足」、「土地仕入れが難航しているため」等を指摘する回答がある。

2.平成28年度における住宅の買い時感について(調査対象:一般消費者・複数回答)
 「買い時」(61.9%)が最も多く、「買い時ではない」(6.4%)を大きく上回った。その主な要因としては「今後消費税率が引き上げられるから」(74.7%)が最も多く、次いで「住宅ローン金利が低いから」(66.2%)、「住まい給付金、贈与税非課税措置(住宅取得等資金)、住宅ローン減税等がある(または措置の拡充が検討されている)から」(15.6%)等としている。一方「買い時ではない」の主な要因は「景気の先行きが不透明だから」(50.0%)、「住宅価額等が上昇しているから」(32.9%)等だった。「どちらとも言えない」は31.7%だった。

3. 平成28年度における住宅の買い時感について(調査対象:ファイナンシャルプランナー・複数回答)
 「平成27年度と比べて買い時」(68.6%)、「どちらとも言えない」(17.6%)、「平成27年度と比べて買い時ではない」(13.7%)となり、「買い時」とする主な要因は、1番は「住宅ローン金利の低水準」(100%)、次いで「消費税率引上げ前の駆込み効果」(51.4%)、「住まい給付金、贈与税非課税措置(住宅取得等資金)、住宅ローン減税等がある(または措置の拡充が検討されている)から」(42.9%)等の順。「買い時ではない」とする主な要因(同)では「住宅価額の高騰の影響」(85.7%)、「景気の先行き不透明感」(71.4%)等があげられる。

4.今後の重点的取組事項について(調査対象:住宅事業者・複数回答)
 「建物の性能」(61.8%)が最も多く、次いで「土地の仕入」(40.4%)、「住宅プランの提案力」(32.3%)、「デザイン」(30.5%)と続いている。

5.住宅事業者選びで重視するポイントについて(調査対象:一般消費者・複数回答)
 「建物の性能」(59.2%)が最多で、次いで「立地」(49.0%)、「デザイン」(38.9%)と続く。前々回調査と比較すると、前々回3位の「立地」が「デザイン」と入れ替わり2位に、前々回6位の「住宅の価額や手数料」が4位にランクアップした。

6.建物の性能で重視する事項について(調査対象:住宅事業者・複数回答)
 「今後の重点的取組事項」で「建物の性能」を選択した住宅事業者が建物の性能で重視する事項については「省エネルギー性」(92.0%)が最も多く、次いで「耐震性」(49.6%)、「高耐久性」(43.8%)が上位3位だった。また「その他」(3.5%)では、ゼロエネルギー住宅(ZEH)仕様、健康や快適性に関する性能の向上、断熱性、気密性等があった。

7.建物の性能で重視する事項について(調査対象:一般消費者・複数回答)
 「業者選びで重視するポイント」で「住宅の性能」を選択した一般消費者が建物の性能で重視するポイントについては「高耐久性」(72.4%)が最多で、次いで「耐震性」(55.5%)、「省エネルギー性」(46.7%)、「遮音性」(22.7%)の順で多かった。

8.リフォーム、リノベーションや買取再販等について(調査対象:住宅事業者・複数回答)
 他社との連携を含む実施済みが66.5%となった。これに実施を検討している回答企業を含めると回答割合は83.3%となる。なお、実施または検討している事業は「リフォーム」(73.9%)、「リノベーション」(69.5%)、「買取再販」(44.9%)と続いている。

9.「リフォーム」した中古住宅の購入等について(調査対象:一般消費者・択一回答)
 「リフォーム」した中古住宅購入、購入後「リフォーム」をすると併せた住宅取得」については、41.5%が「関心があり、検討している」と回答し、回答者の年齢階級別でみると、40歳代から50歳代前半において回答割合が40%台後半で概ね半数の回答世帯で検討している。

【問合先】(独)住宅金融支援機構 業務推進部営業計画グループ 03-5880-8448
【URL】http://www.jhf.go.jp/files/300308216.pdf