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住宅・居住環境の満足度は77%、過去30年で最高~国交省、平成25年住生活総合調査

 国土交通省は「平成25年住生活総合調査」をまとめた。同調査は、住宅及び居住環境の評価、最近5年間の居住状況の変化に関する事項等を調査し、住宅政策を推進する上で必要となる基礎資料を得ることを目的としている。
 昭和35年から平成15年までは「住宅需要実態調査」として実施してきたが、前回の平成20年からは、調査内容の充実を図り「住生活総合調査」と名称を改め調査を実施している。今回の調査で12回目となる。
 調査対象は、平成25年住宅・土地統計調査の調査対象のうち、住居と生計を共にしている家族世帯や、家族と一緒に間借りや同居している世帯及び一人暮しなど「普通世帯」の8万5302世帯。回収世帯数は7万6096世帯、回収率は89.2%。「平成25年住生活総合調査」の概要は次のとおり。

◇住宅及び居住環境の評価=満足度は77.2%と過去30年で最高となった(昭和58年:60.0%→平成25年:77.2%)。「住宅」に対する満足度が過去10年で大きく増加(平成15年:55.9%→平成25年:74.2%)し、「居住環境」に対する満足度(72.0%)を初めて上回った。

◇最近5年間の居住状況の変化=最近5年間に住み替えを実施した主な目的は過去30年で多様化しており、「住宅を広くする、部屋を増やす」(昭和58年:33.4%→平成25年:17.7%)と、「就職、転職、転勤などに対応」(昭和58年:25.9%→平成25年:21.7%)は減少している。
 これまで減少傾向にあった「親、子などとの同居・隣居・近居」(昭和58年:6.1%→昭和63年:5.4%→平成5年4.1%)が平成5年以降、増加(平成10年:4.7%→平成20年:5.3%→平成25年:10.6%)に転じ、平成5年と比較すると約2倍増と過去最高となった。

◇今後の住まい方の意向=今後5年以内に住み替えの主な目的は、最近5年間に実際に住み替えた世帯と比較すると「住宅を広くする、部屋を増やす」(最近5年間に住み替えた:17.7%→今後5年以内に住み替えの意向:21.5%)が最も多く、次いで「子育て・教育の環境を整える」(最近5年間に住み替えた:17.6%→今後5年以内に住み替えの意向:19.3%)、「就職、転職、転勤などに対応」(最近5年間に住み替えた:21.7%→今後5年以内に住み替えの意向:18.5%)、「親、子などとの同居・隣居・近居」(最近5年間に住み替えた:10.6%→今後5年以内に住み替えの意向:17.7%)―の順。「間取り、収納、設備などを使いやすくする」(最近5年間に住み替えた:7.3%→今後5年以内に住み替えの意向:15.2%)と、「高齢期の生活の安心・安全や住みやすさの向上」(最近5年間に住み替えた:5.6%→今後5年以内に住み替えの意向:10.5%)は2倍近い伸びとなった。
 また今後5年以内に改善の意向を持つ世帯において、改善の主な目的は「住宅のいたみを直す、きれいにする」(最近5年間に改善した:62.2%→今後5年以内に改善の意向:58.8%)がトップ。次いで「高齢期の生活の安心・安全や住みやすさの向上」(最近5年間に改善した:22.2%→今後5年以内に改善の意向:29.8%)、「間取り、収納、設備などを使いやすくする」(最近5年間に改善した:17.8%→今後5年以内に改善の意向:22.8%)の順。

◇家族構成別に見た住宅及び居住環境の評価と住み替え・改善の意向=まず、子育て世帯で最も重要としていることは「住宅の広さ」(平成20年:8.6%→平成25年:14.0%)。前回最も重要としていた「住宅と住宅まわりの防犯性」(平成20年:20.0%→平成25年:11.9%)は大きく減少した。一方、「託児所、保育所などの利便」(平成20年:3.7%→平成25年:7.4%)と、「安全性、遮音性など住宅の性能」(平成20年:5.2%→平成25年:5.9%)が増加している。次に、高齢者世帯(家計主が65歳以上の世帯)では、全世帯と比べ「日常の買い物、医療・福祉・文化施設の利便」(全世帯:34.4%、高齢者世帯35.9%)を最も重要としており、「治安、犯罪発生の防止」(全世帯:35.5%、高齢者世帯:27.9%)は低かった。家計主の年齢別では、家計主の年齢が高いほど住み替えの意向は低い(65~74歳:3.6%、75歳以上:2.8%)。また家計主の年齢が55~59歳と60~64歳の世帯は、リフォームの意向が高くなっている(55~59歳:10.5%、60~64歳:10.8%)。

◇現住居以外に所有している・借りている住宅=現住居以外に所有している・借りている住宅がある世帯の割合は増加(平成20年:6.6%→平成25年:9.2%)。現住居以外に所有・賃借している住宅の利用状況は、「子、親族などが住んでいる」(36.1%)が最も多く、次いで「空き家(物置などを含む)になっている」(23.0%)、「借家として賃貸している」(17.3%)となっている。空き家の建築時期は昭和55年以前(昭和45年以前:44.5%、昭和46~55年:24.4%)の割合が全体の約2/3(68.9%)を占めている。腐朽・破損していない空き家(44.4%)を管理状況別に見ると「専門業者に管理を委託」(73.6%)、「自分や親族が定期的に管理」(50.1%)、「自分や親族が不定期に管理」(46.5%)、「ほとんど何もしていない」(30.5%)―の順で多かった。また、管理をほとんど何もしていない空き家は「空き家のままにしておく」(61.5%)の割合が高かった。専門業者に管理を委託している空き家の活用意向は、「住宅を親族以外に売却する」(25.5%)及び「借家として賃貸する」(24.8%)の割合が比較的高く、「空き家のままにしておく」(25.4%)は低かった。

〔URL〕http://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000098.html
【問合先】住宅局住宅政策課03―5253―8111内線39243、39244