第5回優良事業表彰受賞プロジェクト
会報全住協では、第5回優良事業表彰受賞プロジェクトを順次ご紹介しております。今回は、中高層分譲住宅部門(中規模)において優良事業賞を受賞した(株)フージャースコーポレーションの「デュオヒルズ上田駅前」です。
[事業コンセプト]
長野新幹線停車駅である上田は、旧くは城下町として栄えた由緒ある街。本件は、生活、交通の拠点である上田駅徒歩3分であり、過去分譲されたものを含めて、一番の立地と言える。
また、地方都市特有の車社会であるがゆえ、郊外の戸建住宅に住むシニア層が、利便性の高い市街地へ移りたいという需要が高いことが予測された。本件は、地域一番物件として、デザインコンセプトは観光都市でもある城下町上田の景観になじみ、かつ設備仕様等は、マンションの利便性や快適性、防犯性を享受できるものづくりを目指した。
[商品企画]
ファサードデザインは、「瓦屋根の黒」、「漆喰壁の白」をタイルのベース色として、街並みに溶け込む色彩を目指した。また、アクセントとして、日本家屋の格子をイメージさせる茶の縦ルーバーを採用した。アプローチは、盆栽風の「松」と「もみじ」をシンボルツリーとし、上田城の石垣と同じ「緑色凝灰岩」を採用したデザインウォールにより、エントランスへと誘導し、住まわれる人が親しみとプライドが持てる意匠としている。
エントランスホールは四季の移ろいを感じられる日本庭園を如何に美しく見せることができるかを目的とした意匠、素材選定、照明計画としている。駐車場は、地域特性である降雪・凍結による影響を考慮し、平置き駐車場のみとした。また、スタッドレスタイヤ等をしまえるタイヤ置き場を設置している。
専有部の間取りはスタンダードではあるが、戸建からの住替えシニア層の需要を配慮し、リビングに面しない洋室は6帖以上とし、広さを確保した。リビングに面する居室はシニアの二人家族が多いことを想定し、可変性のある建具を採用し、リビングとの一体空間として使用できるようにした。
[事業成果]
本件は西武デパートの跡地であるというところからも、地元の方からは土地の評価が非常に高かった。地域への共生をテーマに掲げ、高さを抑えた基本計画や景観を配慮したデザインも含めて、検討者からは、良い評価をいただいた。
本件は約1年半ぶりの供給ということもあり、シニア層以外にも地元の優良企業にお勤めの方も含め、オールキャッシュでのご購入者が60%を占める等、高属性の方々にご契約をいただいた。結果として、販売期間も約4か月と短く、販売経費も抑えられ、地方にある中規模都市でのマンション分譲のマイルストーンとなる事業となった。
[物件概要]
敷地面積 1,650.11m2
延床面積 4,899.18m2
住戸面積 70.03~87.67m2
構造・規模 RC造地上11階建
住戸総数 55戸
[優良事業表彰プロジェクト集]
http://www.zenjukyo.jp/report/hyosho2014/hyosho4.html