令和2年新年賀会を開催―会員、来賓など1,000名で新年を祝う―
当協会は1月7日にホテルニューオータニにおいて「令和2年新年賀会」を開催した。冒頭の馬場会長の挨拶に続き、青木国土交通副大臣など多数の来賓の方々より祝辞をいただいた(以下に馬場会長挨拶並びに青木国土交通副大臣祝辞要旨を掲載)。当日は、国会議員、官公庁、友好団体関係者、当協会会員など約1,000名が参加し、新年を祝った。
[馬場会長挨拶]
明けましておめでとうございます。本日は青木国土交通副大臣を始め、多くの国会の先生方、国土交通省、友好団体そして会員の皆様にお集まりいただきありがとうございます。
昨年暮れに日中韓の首脳会談がありました。世界には米朝・米中関係、英国のEU離脱など一朝一夕では解決しそうもない課題が多くあります。また、中東情勢も一気に緊迫化してきました。こうした国際情勢により、日本の株価は年末年始にかけて乱高下となり、我が国経済も先行き不安な年明けとなりましたが、子年の守護神にあやかり五穀豊穣、商売繁盛を祈念したいと思います。
さて、我が国における人口減少と高齢化、そして住宅、都市、社会の老朽化という課題
に、住宅業界も本格的に対処すべき時期となりました。やがて1億人割れとなる人口水準は、先の東京五輪や大阪万博のあった半世紀前と同じですが、増える途中なのか減る過程なのか、人や社会が若いのか老けているのか、そこに問題があります。戦後復興を世界に発信した東京五輪の1964年度の国家予算は3兆2554億3800万円、語呂合わせでは「みんなにいい予算や」でした。今年は戦後75年、国としても後期高齢者となった2020年度の予算案は102兆6580億円、日経新聞のコラムによると「十字路いつ晴れる」です。2つの五輪の間に30倍に膨らみましたが、社会保障費の負担が重くのしかかる中で、成長か衰退かという非常に難しい四つ辻に立っています。
江戸初期の人口は約1000万人でしたが、活気溢れた元禄末期までの100年で3倍に増えました。ところが幕末までの200年は人口も停滞し、幾度も自然災害に見舞われ、節約と倹約の暗い時代だったように思います。そして明治維新後は不幸な戦争、関東大地震を始め多くの自然災害を経験する中、バブル絶頂期までの100年間で人口が4倍、1億3000万人に急増し、日本の国力と国民の生活水準が飛躍的に向上しました。それは鎖国政策、身分制度を捨て、農地解放など外向きにも内向きにも思い切った政策転換をした結果だと思います。
令和時代の最大の課題は私達の思い切った意識改革であり、過去の因習を捨て、新しい価値観を創造することに尽きると考えます。ロボットやAIが活躍する社会にも魅力がありますが、外国人労働者を含めた多様性の受入れも鍵になります。世界中の「人」という資源を受け入れ、もう一度輝かしい発展の道を歩み始める。スポーツ界はいち早くこの潮流に乗っており、ラグビージャパン「ONE TEAM」がこれを実証しました。
都市インフラや住宅の老朽化、空き家の増加も起こるべくして起きた現象であり、腫物に触るような及び腰ではなく、古い権利意識を打ち払ってあるべき姿に置き換えることが、我々に課せられた使命だと思います。全住協は多様性に富んだ会員の集まりであり、地域に根差した事業活動や形式にとらわれない柔軟性を活かして様々な課題や個々のニーズに応え、国民の豊かな住生活実現のため全力で取り組んでまいります。会員はもとよりご臨席の方々のご支援とご協力をお願い申し上げます。
皆様方のますますのご発展とご健勝を祈念申し上げ挨拶といたします。
[青木国土交通副大臣祝辞]
明けましておめでとうございます。国土交通副大臣の青木一彦でございます。本日は一般社団法人全国住宅産業協会の新年賀会が盛大に開催されますこと、心からお慶びを申し上げます。
住宅は言うまでもなく国民生活を支える基盤であり、経済への波及効果も大きく、持続的な経済成長を図っていくためにも国民のニーズに応える住生活産業を育成し、住宅投資を促進する必要がございます。昨年10月に消費税率が10%に引き上げられましたが、住宅ローン減税やすまい給付金等の住宅取得支援策をさらに周知徹底するとともに、住宅市場の動向を注視し経済に影響を及ぼすことのないよう取り組んでまいります。人口減少や少子高齢化の急速な進展により、住宅を取り巻く環境は大きく変化しております。空き家の除却・利活用等、老朽化マンションの適切な維持管理の促進と再生、既存住宅流通・リフォーム市場の活性化など、住宅政策の喫緊の課題について一層の取組みが求められております。このため、今後の住宅政策の指針となる住生活基本計画の見直しについて、全住協の馬場会長にもご参加をいただき審議会での議論を進めていただいております。それを踏まえ、令和の時代にふさわしい計画となるようしっかりと検討を進めてまいります。
全住協の皆様方には、良質な住宅・宅地の供給、良質な住環境の創出などを通して、国民の住生活の向上に貢献されております。国民一人一人が真に豊かさを実感でき、安全・安心で魅力ある住生活が実現できるよう引き続き皆様方のご支援とご協力をお願い申し上げます。結びに、貴協会のますますのご発展と本日ご臨席の皆様方のご健勝、ご活躍を祈念申し上げご挨拶といたします。ありがとうございました。